明治24年創業
こだわりの味噌・醤油
女将の「豆まめ通信」
昭和48年10月号
1973年10月 味噌通信
当時の日本人の若者の健康状態への警鐘として、ハワイの2世の食生活について触れてあります。私が学生時代、祖母の友人で日系2世でハワイ島に住んでいらした中谷さんがいらっしゃいというお誘いで、1ヶ月春休みにホームステイしたことがありました。中谷さんは、2世でしたが、日本の文化・教育をとお母様のご実家に学生時代数年過ごして祖母と友好を深めた人でした。
中谷さんのお宅に何のお土産がよいかと聞いたところ、息子〔3世にあたります〕が、筋子だ代好きだから、筋子を持ってきてください。というご指定。大きなスジこの腹を数本持参したことを思い出します。 その筋子は、当然家族中で一番体格のよい息子さん一人で召し上がったと思います。中谷夫妻は、日本の老人(私の祖父母の年代です)とほとんど変わりない体格。息子さんが、ステーキが好きだと、彼が帰ってくる日に、私も見たことのないような大きなTボーンステーキを自慢げに焼いてご馳走してくださったことを思い出します。
そして、中谷さんご夫妻より、一人息子の彼は、先にお亡くなりになったことを後で聞きました。この号の東北大学の近藤先生の著書を読むような話が身近にありました。
私が生まれるずっと前から毎年庭の秋を彩る花『シュウカイドウ』です。子供の頃は、この黄色の部分を集めておままごとをしました。シュウカイドウを見ると祖父や曽祖父を思い出します。
◆1973年10月号「味噌通信」
《本文》
長かりし暑さも過ぎて爽秋へ
夜の宴うたげの味のおいしさ
萩はぎ 薄すすき 桔梗ききょう、女郎花おみなえしなど、自然の営みの中にも仲秋の風情細やかに稔り行く豊かな秋をたたえ、味覚最高潮の季節を迎えました。
先月は敬老 長寿 健康・・・食べ物等、いろいろの面から豊富な話題をお聞きしました。 総じてなごやかな家庭の中で、野菜を主体とした粗食と体に合った労働 が、日々の健康の基だと、申されましょう。
最近平均寿命が延びたと言われておりますが、働き盛りの若い世代の人が、ポッツクリこの世を離るる事実を、耳にします。体位向上が、あまりにも糖分、動物蛋白の摂り過ぎから、栄養過多となり、体力を忘れた人づくりが肥満体となり、心臓を犯し、延いては高血圧、これが早死にの原因がといわれています。
東北大学の近藤先生【文献「その食生活は若死にする」著】は、ハワイ旅行の際、若死にするハワイの二世の食生活を調べたところ、一世の両親が、ピンピンして働いているのに、二世は四十代の若さで一生を終えると言う、不思議の現象。しかも同じ家に住み、同じ食事、先生も一緒で観察したところ、二世は最初から最後まで、ピラミットのような、肉塊に挑戦して野菜など見向きもしない。野菜、豆腐、海藻などは、すべて親たち一世の食べ物であった。二世たちに、なぜ野菜を食べないのかと聞くと、一様にあんなもんは、文化人の食べ物でない。島の土人の食べ物と、一笑されたそうです。
豊かな日本経済は、食生活にも大きな変化を来たし、遂次ハワイに近づき、あたかも大工さんが、楔くさびが釘くぎに早変わりして、一時を糊塗ことするに過ぎない と同様に材質(体質)にマッチしない食事が如何に若い人の悲劇に連なるかを考えるとき、口先だけのうまさより、腹一杯のうまさを味わって、四季とりどりの野菜を取り入れ食事こそ、日本人の食事でありたいと、唯、念願してやみませぬ。
夏の味 三鷹市 伊佐坂 尚子様
今年は格別の暑さ、暑い日の夕食には
熱い味噌汁がとても美味しいので一つの発見。
子供たちまでもおいしそうに、タップリ食べました。
夏の味はなん言っても味噌汁