明治24年創業
こだわりの味噌・醤油
女将の「豆まめ通信」
昭和47年3月号
近年稀な大雪だったので、若干雪時の遅い越後ですが、確実に春はめぐってきます。去年は、3月早々に登った角田山でしたが、今年は半ば15日に初めて角田山に登りました。その時の雪割草です。深い雪も解けてしまえば、待ってましたとばかりに、草花がとっても嬉しそうに咲き始めます。
文明の中に生きていると、何をどのように食べていいのやら感覚での判断は難しくなっています。 どの植物が食べれるとかどの動物が食べれるとか・・自分で選べる知識も能力も欠落してしまっています。
山に行った折、山頂でいただくキャベツ入りのラーメンとおにぎりが私たちの定番です。川辺の蕗を揚げたり、タラの芽を1つ2つ拝借して、いただけるようだともっと楽しいでしょうけれど…。見つける触覚が退化してしまっています。
◆1972年3月号「味噌通信」
《本文》
山路来て何にやらゆかし菫草 芭蕉
長い冬ごもりより醒めて、草も木も、そぞろ躍動の好機を迎え、お健やかにお過ごしのことと存じ上げます。
過日、二十八年振りにジャングルの穴居生活から突如として奇跡的に生還された横井正一さんは、世界史上稀に見る神話そのもので、実に強い精神力、否、神の力と、強じん不抜の体力を唯、賞讃する許り、二月十九日、横井正一さんのグアム島の生活展を大丸デパートに見て、生きる創造力の偉大さを目のあたり見て、目頭の熱くなる思いがした。今飢えと、ひとりで戦い抜いたグアム島での食生活を各誌よりスッポトして、終始植物主義に徹した原始生活を探ってみたいと思う。
四季温暖に恵まれ、住家に近い川辺にウナギ、エビ等竹を編んでワナを仕掛けて捕る外、トカゲ、ネズミ、カタツムリ等、カラ揚げして山川の珍味を愛賞された。
以上はジャングルメニューの一端で、常に果物や、雑草、キノコ等を主食としていた為体内にコレステロール源少なく、常に血液が浄化され、五十男ではなく十五か、二十男位の血液で、植物型の人間像とも言われ、常に小食で、バカ食いして、死期を早めている現代の食生活に、一服の清涼剤だと香川先生が述べられている。
横井さんは病院にて療養の身、毎朝野菜食にみそ汁時折、味噌漬の焼魚等での食事と聞く、記者の会見にも「味噌汁が本当にうまい」と、述懐されたと聞く。順応性が強いので体も至極快調と承っている。
今や高カロリー万能の欧米依存の栄養食も真に日本人の体質を考えるとき、深く反省して伝統食品を大いに採りあげて、行くべきではなかろうか。
ヤシの実 | 若い実には汁が多くサイダーの味特に朝は冷やしサイダーの味熟したものを絞ると味噌汁の味 脂肪が多いので 煮詰めるとヤシ油魚 その他のテンプラ用 照明用 木の切り口に竹筒を押し込むと一日に三リットルもの流れ汁が出る 甘酒の味 酢にもなり果実酒ともなりウイスキーもとれる |
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パンの実 | 大きな果物焼くとサツマイモの味1-5月乾期の食べもの2-3本で年間食べる |
ヤマイモ(バライモ) | 腹にたまって満腹感 6-12月までの雨期の食べもの |
パパイヤ | 甘みは強よく酸味あり消化によい |
ソテツの実 | ファンダンとも云う乾かして常食貯蔵食品 マンゴ甘くて軟らかい味の王様1-5月に食べる |
マンゴ | 甘くて軟らかい味の王様1-5月に食べる |
レモンチン | レモンの香りしておいしい イバラの実 |
バナナ | モンキーバナナで実は食べない幹の中心を食べる |